「SIer/SE にブラックしかない」は本当か【転職済/経験談】
こんにちは、元エクセル職人 SE の Nash です。今ではリモートで週2だけ働いてます。
この記事は「SIer/SE =ブラックしかない論に対する、考えをまとめた記事」です。
先に結論です。
- 「SIer/SE にブラックしかない」は嘘。
- ただ、大半はブラックになってしまう。
「大半の SIer/SE がブラックになってしまう理由」は下記です。
- 【STEP①】SIer 業界構造がブラック(確定)
- 【STEP②】汚染されて SIer 企業もブラック化(可能性大)
- 【STEP③】汚染されて SE もブラック化(可能性大)
更に下記の観点でもまとめます。
- ホワイトな SIer 企業を目指すべきか?
- 転職先として、どこを目指すべきか?
では、見ていきます。
※ SE =システムエンジニア、で SIer 系の話です。
「SIer/SE にブラックしかない」について
まずは、言葉の整理です。
- SIer 業界 = SIer の全体の業界
- SIer 企業 = SIer の1つの企業
- SE = システムエンジニア(職業)
では、順々に見ていきます。
【STEP①】「SIer 業界構造」はブラック
「SIer 業界構造」という観点だけでみるとブラックです、というのが自分の結論です。
「SIer 業界構造」については、下記で詳細の説明をしています。
【完全理解】SIer 業界 がブラックな理由を解説【わかりやすさ重視】
簡単にいうと、SIer 業界構造が原因で、
- ピンハネ仕事のほうが、儲かる。
- 技術者が、正当に評価されにくい+育たない。
などなどです。
ブラックになる原因の大半が、この「SIer 業界構造」なんじゃないかなー、と思っているレベルです。
そして、このブラックが原因で SIer 企業も汚染されていきます。次です。
【STEP②】「SIer 企業」はブラックに汚染されやすい
「SIer 業界構造」がブラックなのが原因で
- 「SIer 企業」もブラックになりやすい
というのが自分の結論です。
まず、SIer 企業にいる人達も**「ホワイトな環境」**を作るため、かなり努力をしています。
ですが、うまくいくケースをほとんど見ません。
なぜなら
- 【原因】業界レベル
- 【対処】個人・部署・会社レベル
だから、だと思っています。
つまり、
- 根本原因が、「業界構造」なのに
- 対処が、現場〜会社レベル
なわけです。
その結果、問題は解決しません。
最終的に、企業文化もブラックにどんどん汚染されていくわけです。
(ホワイトになるように努力をしているように見えるんですがね。。。)
というわけで、SIer 企業もブラックに汚染されたとして、次を見ます。
【STEP③】SE がブラックになる連鎖
SIer 企業がブラックになるので、SE という仕事・職種もブラックになる、というのが自分の結論です。
SIer 企業もブラックに落ちていくと
- 残業 = 当たり前の文化。
- 技術系 = 短期的に儲かりにくいので縮小
- ピンハネ/人売り = 短期的に儲かるので拡大
などの、環境や仕事内容に繋がっていきます。
結果として、SE という職種がブラックの代名詞になるわけです。
ここまでは「業界構造が原因で SIer 企業/SE がブラック化しやすい話」でした。
ホワイトな SIer 企業を目指すべきか?⇒ 微妙
ここからは「ブラックな SE はどうするべきか?」についてです。
まず、「ホワイトな SIer 企業/SE」というのも一定数は存在するようには感じます。
ブラックを生み出してしまう最大の問題は「SIer 業界構造」です。
逆に言えば
- 業界構造から抜ける
- 業界構造に立ち向かえる力
があれば、「ホワイトな環境になれるのでは?」というのが自分の考えです。
ホワイトな環境
具体的には、下記のような環境がホワイトだと思っています。
- 残業 = ない〜少ない
- 技術 = モダン、使う、学べる。
- 収入 = 技術系でも正当な収入。
- 文化 = いまどきな考え。
(ホワイトの定義は個人差あり)
そして、Twitter を見ている限りでも、SIer 企業で上記のような環境の人もちょくちょく見ます。
ただ、ホワイトな SIer を目指すのは茨の道、だと思っています。
ホワイトな SIer へ行く厳しさ
ホワイトな SIer/環境に行くためには、少なくとも下記は必要かと思います。
- スキルセット = 即戦力(技術/マネジメント)
- 思想 = モダンな開発手法などへの理解がある。
ですが、ブラックな環境にいると、
- 技術力もつかず
- モダンな考えにも触れられず
- 転職先に評価されるような実績を作るチャンスが少ない
という問題があるわけです。
実際、自分が転職するときもそうでした。
- 仕事内容 = エクセル職人がメイン。
- 技術力 = 仕事を通して得られた技術は0。
上記のような感じです。
しかも、「転職先がホワイトであるかどうか」を見極める力+運の要素もあります。
さらに**「大多数の SIer 企業はブラック」**だと、自分は考えています。
観測範囲:SIer 企業=ブラックばっか。
ここからは自分の観測範囲です。
SIer 企業に関して、いろいろな話を聞いてきました。 ですが、かなりの確率でブラックなケースが多いです。
今まで会ってきた SE について、下記です。
- 海外留学中に会った人
- Web 系の現場で会った人(元 SE)
- 学生時代の友人/先輩
- フリーランスの知り合い
(本当はこれよりも、もっと多いですが省略。)
全員、別の企業で、接点がないです。ですが、
全 SE がブラックでした
たまたま、「全員ブラックだった」にしては、「ブラック率」がちょっとおかしいレベルです。
自分として SIer 業界をオススメできないのは
- ブラック比率が高い業界から、ホワイト企業を探すのが難しい。
- ホワイトだった現場も、ブラック化する懸念がある(業界構造)
という点もあるわけです。
観測範囲:Web 系=ホワイト比率が高い
今では、Web 系でフリーランスとして活動してます。
横の繋がりで Web 系の職場環境の話をかなり聞きます。
その話を聞く限りでも、やはりWeb 系のほうがホワイトなケースが多いように感じます。
確かに、下記みたいなハードな面もあります。
- ハードワーク = 残業とか、納期前。
- 技術 = 負債化したものを返す大変さ。
ただ、「SE のブラックのレベルと比較すると全然ホワイトだなー」というのが個人的な感想です。
スクリーンショットをエクセルに貼り続ける作業だけで1日が終わり1ヶ月以上それがずっと続くとか、ほんとうに地獄ですよ。もう戻りたくないです。
SE からの転職先の選択肢
個人的には Web 系を推すのは、ホワイトの比率が多いように感じるからです。
とはいえ、Web 系以外にも、社内 SE なども個人的には悪くはない選択肢だとは思います。
詳細は下記の記事で説明しています。
気になる人はどうぞ
まとめ
まとめです。
- 「SIer/SE にブラックしかない」は嘘。
- ただ、大半はブラックになってしまう。
「大半の SIer/SE がブラックになってしまう理由」は下記です。
- 【STEP①】SIer 業界構造がブラック(確定)
- 【STEP②】汚染されて SIer 企業もブラック化(可能性大)
- 【STEP③】汚染されて SE もブラック化(可能性大)
おわりに
この記事がどなたかの助けになれば幸いです。
おまけ1:観測範囲でしか人は語れない
ホワイトな SIer 企業に勤めている SE もいるはずです。
そういう人からすると、
- SIer はブラック
- SE はやめとけ
みたいのは、あまり気持ちの良いものではないかとも知っています。
ですが、自分はホワイトな SIer 企業や現場へ行けませんでした。行けなかったんです。
そして、自分の観測範囲の人たちもほぼ全員がブラックです。今もきっとスクリーンショットをエクセルに貼り続けているんでしょう。
それなら、まだ SIer 業界から転職して
- ホワイト企業に当たる可能性が高く
- 技術力がつきやすく
- スキル主義な Web 業界
をオススメするほうが良い、というのが自分の考えです。