読後レビュー|『基礎からわかる TCP/IP』挫折しにくく学べる
ども、今年の目標は CS(コンピュータ・サイエンス)の復習をする予定の Nash です。
この記事では、自分が下記の本を読んだのでその書評になります。
- 『基礎からわかる TCP/IP ネットワークコンピューティング入門 第 3 版』
では、みていきます。
『基礎からわかる TCP/IP』を読んだ
CS 学習の一貫としてネットワークレイヤーについての学習がしたく、今回は下記の本を読み終えた。
この本のざっくり感想として、コンピュータサイエンスの基礎からネットワークレイヤーに進み TCP/IP まで理解できる丁寧な本、となる。なので、そういう丁寧な説明が好きな人におすすめできる。
極端な話だと、非エンジニアでも読むことは可能だと思う。ただ、扱ってる内容がそもそもやや難しいし、ボリュームもそれなりに多いので非エンジニアはもっとざっくり説明をしてくれるような本でも十分だとは思うけど。
書評:この本の全体像について
この本のスタンス・構成
「コンピュータ基礎からスタートして、ネットワークについては後半で学ぶ」というスタイルの学習プランになっている。
ネットワークについての本なのにコンピュータ基礎が半分くらいあるので、ちょっと一風変わったスタイルだとは思うけど「コンピュータ基礎を知らずにネットワークを知ることは絶対にできない」というのが著者の思想なため、このような構成になっている
誰にこの本はおすすめか
丁寧に知識を積んでいって最終的にきちんと TCP/IP を理解したいって人にはおすすめできると思う。
逆に「ざっくりとなんとなく TCP/IP をすぐ知りたい」って人には向いてないと思う。そういう人はむしろラフなネット記事のほうがおすすめできそう。
この本のボリューム
それなりの重さ。
Kindle で読んだのだけど、表紙がかなりシンプルだったので薄い本かと思ったら実際は 360 ページなので少しだけ厚い本なので注意。ちなみにリーダブルコードが 260 ページ。ただ、リーダブルコードはポエム的な色がやや強いので簡単に読めるので、体感的にはこっちのほうが密度がそれなりにあると思う。
書評:本の内容に対して
前半:コンピュータの基礎
上述してるけど、ネットワークの話はほとんどなくてコンピュータ基礎がメインになる。
エンジニアとしてはそもそも知っていないといけないような常識・教養な話だし説明もわかりやすいので、良い復習になった。
後半:ネットワーク
本の半分らへんからようやっと TCP・IP の話が始まる。
ただ、個人的にはここらへんの説明についてもうちょっと図解でのわかりやすさを向上させてほしいなー、という印象。
IP アドレス・サブネット・IP パケットの具体例、などについて図解+文章を使って説明がされてる。文章の量が多くなっちゃうのはわかるけど、文章を読み解いて脳内でイメージして、そこから理解する、って工程が結構ハードだった。この本を 2 周読んだけど、1 周目はスピード重視で読んでたこともあるがそれでも正直ぜんぜん理解できなかった。
ここらへんのネットワークについては説明が難しい、ってのは理解してるけど、この本の一番の醍醐味なのでちょっとそこだけは残念だった。なんせ前半がかなりわかりやすいので。
結局、2 周目のときに時間をかけて読む、図を見る、脳内できちんと理解する、みたいな工程をそれなりに時間をかけないと理解が腹落ちしなかったので、もっともっとすっと脳内に入るようになっていてほしいなーと思う。
この本を読み終わって
コンピュータサイエンスの復習になった
本の構成上、CS の基礎から始まるので良い復習になる。
TCP/IP についての理解は確実に深まった
今までの UDP・TCP の理解がかなりざっくりしていたけど、一歩進んだ理解ができるようになったので良かったと思う。
TCP/IP を自分で扱えるようになったわけではない
手を動かしましょう、実装しましょうという類の本ではないこともあり、この本を読んだからといって TCP/IP レイヤーについてゴリゴリかけるようになったわけではない。
あくまで、どういう原理・仕組みで動いているのか?などについて知識を得ることができる本となっている。
マスタリング TCP/IP と比べてどう?
TODO: いつか読む予定なのでそのときにします。
おわりに
「マスタリング TCP/IP は初心者が読むには難しすぎる」というツイートを見て、こっちの本を読んでみたけど、たしかに初心者でも読みやすい良い本だと思う。